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今回は、TA(交流分析)の考え方を使って、自分を知る方法をご紹介します。「TA(交流分析)とは」自分を知り、成長するための方法です。正確な定義などはページ下部に記載するとして、こころに留めておくととても良いと思う、交流分析の哲学的な基本前提をここに記載しましょう。

  • 人はだれでもOKである
    あなたも 私も ともに人間として価値があり、重要で、尊厳があるということです。
  • 他人と過去は変えられない
  • 誰もが考える能力をもつ
  • 人はは自分の運命を決め、そしてその決定は変えることができる。

「当たり前じゃないか」と思いますか。それとも、少し「どき」っとしましたか?

3つの"私"

交流分析では、フロイトの「自我」についての考え方を、よりわかりやすくとらえる方法として、3つの自我を想定しました。

  • (1)P:親(Parent)の自我・・・自分の両親が用いたのと同じような考え、行動
  • (2)A:大人(Adult)の自我・・・事実に基づいて物事を判断しようとする部分
  • (3)C:子ども(Child)の自我・・・幼いころと同じような感情、行動

3つの私

これらの3つの“私”が自分の中でバランスをとっていて、ひとつの"私"になっていると考えます。
あなたの自我のバランスはどんな傾向でしょうか?少し、考えてみましょう。

3つの私

「親」と「子」の自我

「親」と「子」の自我:さらに2つに分けることができます

自分の自我のバランスを考えた時、2人の親と2人の子どもが思い浮かびませんでしたか?
そうです。親の自我は、父親的な厳しさと権威を持つ「批判的な親」と母親的な共感と理解に満ちた「養育的な親」と名付けれた2つの親。

そして、子どもは、自由で縛られない創造的な「自由な子ども」と従順でおとなしい「順応する子ども」の2つの子どもに分けることができます。
それぞれの特徴はこのようになります。

CP:批判的な親 Critical(Controlling) Parent

 自分の価値観や考え方を正しいものとし、譲らない部分。不正に対して「ノー」といえる部分。ルールや計画を守る。

NP:養育的な親 Nurturing Parent

 親切、思いやり、寛容な態度。褒める、許す部分。過保護、過干渉。

A:大人 Adult

 物事を冷静に判断し、それに基づいて行動する部分。知性、理性、論理性。

FC:自由な子ども Free Child

 自由で縛られない自発的な部分。創造性の源。泣きたいときに泣き、笑いたいときに笑うような自然の感情を素直に表す。

AC:順応した子ども Adapted Child

 自分の気持ちを抑えてふるまう従順な部分。自発性に欠ける。協調性。

どれがいい、悪いではなく、人間が社会生活を営む上で、すべて必要な要素なのです。

エゴグラムを書いてみよう

これら5つの自我状態のバランスをグラフ化したものを「エゴグラム」といいます。
直感的に描いてみましょう。

まずは、自分が一番多く使うと判断したものに棒グラフで書き入れ、次に一番少ないと思うものを書き入れる。そして、その他の部分を、その2本の棒の高さを相対的な手掛かりとして書き入れてみてください。

「意外」か「あらためて」かもしれませんが、自分のことが見えてきます。

これは、親しい知人から見た自分を記載してもらっても、新たな自分を発見できる方法です。

繰り返していいましょう。どれが高いからいいというものではありません。
それぞれには長所・短所があり、それが魅力だったりします。でもバランスは大切です。

今の自分にとって、どの部分を「高めたいなあ」と思いますか?
「高めていきたいなあ」と思うものを高めていくようにしてみましょう。自然と高すぎる部分も低くなってバランスが良くなっていくものなのです。

国際TA協会の定義

Transactional analysis(TA・交流分析)はひとつのパーソナリティ理論であり、個人が成長し変化するためのシステマティックな心理療法のひとつである。
エゴグラム(egogram)とはジャック・デュッセイ(Jack Dusay)により考案された、パーソナリティの機能的自我状態のそれぞれがどの程度重要なのかを表示するために用いた方法である。
(TA TODAY 最新・交流分析入門 イアン・スチュアート、ヴァン・ジョインズ 実務教育出版)

性格検査「新版TEG®3」

アメリカの精神科医バーン(Berne, E.)の提唱した交流分析理論(TA理論)に基づいて、東京大学医学部心療内科TEG研究会が開発・作成した性格検査「新版TEG®3」を使ってエゴグラムを作成します。決められた53項目の質問から客観的にエゴグラムの数値を算出します。

検査結果は「あなたはここがダメです」「ここが悪いです」ということを決めるものではありませんし、それぞれの個性を決まったパターンに区分けするためのものではありません。また、検査結果は、現在悩んでいることの解決方法を直接に導き出すことはできません。

人には、それぞれの個性に即した性格の型があり、偏りが大きいと些細な出来事にも不安定な反応をしてしまうもの。
自分の性格型への気づきを深め、自分の性格的なアンバランスを現実に適した方向に修正していくことが、検査の目的となります。

※交流分析の基本を学び、性格検査「新版TEG®3」を受けたい方には、こちらのコースがあります。