永田町こころのカウンセリングルーム

性格は変えられないのか?
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性格は変えられないのか?

性格は変えられないから」という言葉をしばしば耳にします。
「どうせ私の性格はこうだから・・・」とあきらめがちに言葉を発することもあるのではないでしょうか?

心理学の世界では、「性格(character)」と「パーソナリティ(personality)」を分けて考えています。
「性格(character)」は、生まれ持った気質とか感情の傾向があり、それに従って行動したり物事を決めるなどの傾向のことをいいます。
これは、なかなか変えることができるものではないようですね。

一方で「パーソナリティ(personality)」は、一人ひとりが他のだれとも異なる独自の存在あるということ、つまり「その人らしさ」をあらわす言葉であるといえるでしょう。いわゆる「人間性」ということになりましょうか。
ちょっとわかりにくいですね。
「性格(character)」というベースを持ってはいるが、その上で、どのように感じ、行動するかという全体的な傾向のことといったら良いかもしれません。

それならば、パーソナリティは変えることができるのでしょうか?

パーソナリティの発達

パーソナリティの発達(人格は変えることができるのか?)

パーソナリティは一生をかけて発達していくものと考えられています。
「一生をかけて」ということに驚きます。

人間が生きていくとき、その年齢でおこる問題や、重要な選択、そして迷いや葛藤があって、それを乗り越えるために、「今までの自分」をみつめなおして、時には壊して、「新しい自分」をつくっていく。
その時期は誰にでも訪れ、その度にパーソナリティは発達していくのです。

壊していくくらいの出来事なので、ひどく落ち込んだり、感情の起伏が激しくなったり、不安を感じたりすることもあります。
すごく辛いこともありますが、私は必ず乗り越えていけるものだと信じています。

もし今、あなたが不安定だったり、落ちこんだり、ご自身の性格について悩んでいるのであれば、もしかしたらそれはパーソナリティ発達のタイミングなのかもしれません。
「新しい自分」になることは誰にでもあること、そして誰にでも与えられている権利なのです。

短気でせっかち

すぐ人の言葉に「カっ」とする。遅い人がいると「イライラ」っとする。
そういうところは変わりっこないじゃないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
そうですね。「カっ」とする、「イライラ」っとするのは変わらないかもしれませんね。
でもそこで、そう感じた時にどういう行動をするか、を変えることはできますよね。
すぐ怒鳴りつける?貧乏ゆすりをする?

その感情をどういう行動にするか、どういう言葉で相手に伝えるか、どのように表現するか
それは考え方であり、練習であり、なりたい自分を目指すことでもあるかもしれません。

自分から外に向けた表現が、自分の内側に返ってきて
あなたのパーソナリティを少しづつ成長させてくれるものだと思います。

「あっ。今回は怒鳴らないでいられたわ」
「おっ。笑顔で待っていられたじゃないか」
そうすると、さっきまでと違う自分がいることを感じられるはずです。

地味でおとなしい性格なの。あんなに明るくなれないわ

「地味でおとなしい性格」というのは
落ち着いていて、控えめで、おしとやかな性格ということもできるでしょう。
だから「明るくなれない」ということはつながっているものなのでしょうか?

「落ち着いていて、控えめで、おしとやか」なんて素敵ですね。
そのまま良いところは残しておいて、明るい笑顔ができるようになったら良いのではないかと思います。

【―コラム―】 「明るくなりたい」

あの人は、ずっと前から立派だった

すてきなパーソナリティを備えた方っていらっしゃいますよね。
あんな風になりたい、あんな表現をしたい
おおいに真似したい!

そんな人にも、必ず人生の転機がきていて、他の人は気がつかないけれど「いまのままじゃいけない」と思う時があるはずです。
そして、常に「新しい自分」を発見しているのだと思います。

人は変わらなければいけないのか?

ここまで書いてくると、「じゃあ私は変わらなければならないのかな」と思ってしまいますよね。

変わらなくてもいいのです。

・・・というと、矛盾していると感じてしまうでしょうか?

自分の長所をいくつあげることができますか?あなたには、とても素晴らしい長所があります。
自分で気づいていない部分があるかもしれませんね。

パーソナリティの発達とは、 「新しい自分」を発見すること。発見して、そこで行動してみること。活かすこと。

そういうことだと思っています。

他人を変えることができるのか?

「あの人って、何度説明しても変わらないのよ!」
しばしば、自分を悩ませる身近なだれか。
変えることができるのかしら?
他の人にお説教されて変わるものなら変わっていますよね。自分のことを思い返してもそう思います。

―他人と過去は変えられない。―

そうだとしたら、あなたはどうするのでしょうか?
あの人は変わらないとしたならば、まず「私はどうしたいのか」。そんなふうに考えてみたらいかがですか?

自分のなかの4つ窓―ジョハリの窓

「自分」は、外に対してい開いているか閉じているかで4つにわけることができます。

  • (A)自分も知っていて相手も知っている自分
  • (B)自分は知っているが相手は知らない自分
  • (C)自分は知らないけれど相手は知っている自分
  • (D)自分も相手も知らない自分

その中で、(A)の「自分も知っていて相手も知っている領域」が大きければ大きいほど、自分でいることがとっても楽で、すてきに思うことができるようになります。
「私のことをどうしてわかってくれないのかしら」とか「周囲は見る目がない」と思っている人は(B)が大きいのかも。
「期待されてるけど自分は全然自信がない」という人は(C)が、
「自分はだめだ、友達も理解してくれない」という人は(D)が大きいのかもしれませんね。

たとえば、「私はこういう服は似合わないんだ」というように、
「自分はこういう自分しかないんだ」と決めてしまわないでください。
あなたの中には、あなたが思っている以上にたくさんのすてきなものが詰まっていますよ。
遅すぎることなどないのです。パーソナリティは一生かけてを発達するのですから。

カウンセリングでは、「病気かな?」「うつかな?」と思った時だけでなく、このように自分を成長させたいと感じたときや今の自分になんだか窮屈さや違和感を感じているときにも「自分をみつめなおす場」としての役割をご提供しています。